女の子の発達障害では少し特別な対応が必要なことも

子どもは成長してくると、仲の良い友だちや、好きなことが共通している仲間と過す時間が増えてきます。

特に女の子はグループを作って行動する機会が増えてきます。グループ特有のルールや、行動などが作られ、それにそぐわないと仲間はずれにされることも起きやすくなってしまいます。

それぞれの特性で、どんな注意が必要なのかをお伝えしていきます。

特性ごとに起こる問題は変わってきます

子どもさんが持っている発達障害の特性によって、この時期に起きやすいトラブルをご紹介しましょう。

ASDのなかでもアスペルガー症候群の女の子の場合

思ったことをそのまま口にしてしまい、友だちを怒らせてしまうことがあります。また、団体行動や周りに合わせるのが苦手なので、行事の準備や活動、共同の作業などで友だちと一緒に行動できない傾向がでることもあります。

場合によっては、周囲から「自分勝手な子」と思われることも…。

ADHDの特性を持っている場合

ADHDの女の子は、話すことがむしろ得意な子どもさんもいます。ただ、しゃべりだすと止まらないほど、おしゃべりが好きなことが多いようです。

他の人が話しているのに割り込んで自分の話をしたり、聞かれたことと全く関係のない話をしたりすることもあります。

ときには人の欠点や秘密を話し出すことも多く見受けられます。

こんなことが原因で、周りから疎まれて、孤立してしまうことがあります。

悪気はないのですが、本人がなぜ、周りから敬遠されているかが理解できないことも多く、孤立感を自身で必要以上に感じてしまうようです。

友だちから疎まれて孤立していることに対してどう感じているかで、対処方法は異なります

本人がそれほど、気にしていないようであれば、「無理して友だち付き合いをしなくてよい」と伝えましょう。友だち付き合いをしなくてはならないと必要以上に感じることがなくなり、精神的に安定するようになるでしょう。

しかし、子どもさんが友だちから嫌われていることに気を病んでいるようでしたら、話を親御さんが聞いてあげて下さい。

子どもさんには「あなたは悪くないよ」と伝えて下さい。

その上で、「友だちと話をするときは、友だちの話をよく聞いて、相槌を打つと良い」ことをアドバイスするのも良い方法です。

いずれの場合も、発達障害の特性から起きていることを親御さんが理解して、子どもさんと接することが大切です。

特性を理解してくれる友だちを一人でいいので見つけましょう

ドラマ、ドラゴン桜2では、自閉スペクトラム症という設定の生徒が出演しています。彼の良き理解者として、幼馴染の女の子がいる設定になっています。

その彼は、彼女がいるおかげで、学校生活をこれまで学校生活を、それなりに楽しく送れていたようです。
それも、ドラマのシーンの中で、自閉スペクトラム症のある彼が、勉強に対して嫌悪感がなかったという事実が紹介されています。

特性を理解し、仮に適切な対応でなかったとしても、「自分のことを思ってくれていることは伝わっている」という意味合いのセリフもありました。

あくまでもドラマの中の設定ではありますが、本質的な部分では、良き理解者がいることで、特性のある子の学校生活は大きく変わるということではないでしょうか?

ぜひ、あなたの子どもさんの特性を理解し、いろいろな場面でフォローをしてくれる友だちを見つけられるよう支援することをオススメします。

ストレスからくる体調不良

アスペルガー症候群の特性を持っている女の子の場合、思春期によくあるのが、体調不良を訴えることです。

寝られない、頭痛、めまいなど身体的症状。気持ちのアップダウンが激しいなどの精神的症状などが出てくる傾向があります。

原因は学校でうまく行かないこと、家でも思うようにならないことを過剰に感じてしまうストレスや、初潮による自分の体の変化への戸惑いなどだと考えられています。

ADHDの子どもさんに見られる時間に対してのルーズさ

ADHDの子どもさんは、計画が立てることが苦手な子が多く、それがトラブルの原因になることがあります。

・ギリギリの時間で動いてしまうので、約束に遅刻する
・やるべきことを始める時間が遅くなって予定に間に合わない
・予定を詰め込みすぎて、何もかもが中途半端になってしまう

といったが起こってきます。

本人は「間に合う」と思っているのですが、予定通りにできないことで、周囲からの信頼を失ってしまうことになることもあります。

生活のリズムを整えるのが一つの方策

前述のようなトラブルを避けるためには、毎日のやるべきことを書き出し、時間割のような形して目につくところに貼るようにするなど、支援が必要になってきます。

ASDの子どもさんの場合はとくに視覚的な情報は理解しやすい子が多いので、よい行動を促すことができます。

アスペルガー症候群のお子さんの場合は、子どもさんの話をじっくり聴く時間を作って下さい。うまく行かないということで、心を痛めているかもしれません。

話を聴くときには、批判をしたり、叱ったりするのではなく、頑張っていることに共感してあげてください。

「そうなんだね」「えらかったね」と肯定して上げることがとても大切です。

第二次性徴期ならではのこと

女の子は、体型が女性らしくなり、月経もはじまります。それが疲れ、だるさ、眠気などを助長します。

そのような症状があること、原因は何かをわかりやすく伝えることも大切です。

男の子の前ではいってはいけないこと、してはいけないことを伝える

これもアスペルガー症候群の女の子に見られる行動に、男の子に近づきすぎたり、体を平気で触ったりすることがあります。

これは同性に対する接し方と、異性に対する接し方の区別をつけられないからです。

ときには、男の子がいるのに、突然着替えを始めたり、下着が見えるぐらい足を開いて座ったりしてしまうことも多く見受けられます。

これらの行動が要因となって、「気があるかも?」と勘違いされたり、あるいは距離を取られたりすることがありますし、同性から嫌われることになることもあります。

こんなときは、お母さんから、思春期以降で男性に対して、取っ手はいけない行動や、話さないほうが良い話題などを教えてあげるようにしましょう。

その時の注意点は、「なぜダメなのか」を話すのではなく、「これはルールだからね」と伝えるほうが理解してくれやすいこと。ノートなどに書いておくのも良いでしょう。

困ったときに対処したり、忘れたりしないためには、首から下げたノートなどを持たせるのも良い方法です。

また、クラスの友だちの誰かに様子を注意してみてもらうように頼んでおいて、いざというときにフォローしてもらえるようにしておくと、異性とのトラブルを避けることができます。

 

 

 

この記事を書いた人
出版社での編集者としての経験を活かし、あらゆる分野の情報発信をしている。リサーチ、分析、整理を得意とし、わかりやすく伝えることを信条としています。四人兄弟の長男で、兄弟のうち二人が重度の知的障害者+自閉スペクトラム症。自身もADHDの注意欠陥障害・自閉スペクトラム症のグレーゾーンとの診断を受けている。その経験から、現在は、発達支援事業にも積極的に関わっている。

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