


不登校は発達障害の特性が要因かもしれません

自閉スペクトラム症(ASD)の子どもさんへのサポート体制を整えましょう

目次
小学校に上がるときには、親御さんにとっては心配だらけだと思います。
先生たちに迷惑をかけていないか
クラスメイトとトラブルをおこしていないか
人間関係はうまくできているか
いじめられたりしていないか
忘れものやものをなくしたりしていないか
などなど、とても不安が多いと思います。
そこで、少し捉え方を変えてみて欲しいと思います。
学校の先生は、子どもを一緒に育ててくれる人たちです。
学校生活を送る上では、最も頼れる存在であり、頼るべき存在なのです。
入学や進級のタイミングでの個人面談では、担任の先生に子どもさんの状況を、素直に包み隠さず伝えておきましょう。もし、同席できるのなら特別支援教育コーディネーターのような方にも一緒に話を聞いてもらえるとなお良いでしょう。
学校でなにか問題が起きて、先生と話す際には、家庭や過去の経験から「こうしたらうまくいった」という情報も、先生たちにしっかりと伝えるようにすると対応も早くなるかもしれません。
また、場合によっては親が気づいていないことを、先生から指摘されることもあると思います。その時は、素直に受け止め、学校と親で、一緒に子どもさんを育てていく、という体制を作っていけるとよいのではないでしょうか?
・子どもさんが自信を失わないよう配慮する。苦手面はしっかりと連携してサポート
・学校と家庭で同じことで何度も叱らないで済む工夫をする
・「どうすればよいか」「どう対処すればよいか」は継続して伝え続ける
・叱りすぎてしまうと反抗的になってしまうので注意
子どもだけで通学する場合は、できれば入学前に何度も練習をすることをオススメします。
練習は、必ず登下校の時間に合わせて行うことが大事です。その時間帯の交通量や、車の行き来が多い場所なども確認できます。
また、最初は親子で一緒に歩いて、気づいたことがあればその都度、子どもさんに注意することを伝えると良いでしょう。
そして、行きと帰りでは、道路の見え方などが変わってくるので、そこでも気づいたことや目印なども教えます。
さらに当然のことですが、通学路以外の道は通ってはいけないこともしっかりと伝えておきましょう。
自閉スペクトラム症のお子さんの場合は、通学路が工事などで通行止めになることに備え、工事情報はこまめにチェックしておいて、「今日はここが工事だから、こっちの道を通るんだよ」と事前に伝えておきましょう。
そんなときに役立つのが「ご近所マップ」です。特に視覚的な情報に強い子どもさんには有効です。
絵地図のような形で、通る道や目印、危ない場所もメモしておきます。
また、なにかあったときに子どもさんが駆け込める「子ども110番の家」も書き込んでおくと良いでしょう。この絵地図を使って、迂回路がある日は説明できると間違いがなく伝わりやすいので、状況によって改良できるように作っておくと良いかもしれません。
近所に顔見知りと方を増やしておくことも大事です。買い物の時など、近所を子どもさんと一緒に歩いて、あなたの子どもさんを知っている人をなるべく増やしておくことで、なにかあったときに、気づいてくれる状況を作ることができます。
ぜひ、「この道を通って学校に通っているので、よろしくおねがいします」と挨拶をしておきましょう。
ADHDの子どもさんの場合は、危険なところは何度も実際に現場に一緒に行って、説明しておきましょう。
発達障害があるとよく見受けられるのが、「授業中に立ち歩いて」しまうこと。
その本当の理由はなんでしょうか?
それは子どもさんやその時の状況によって様々です。
・トイレに行きたかった
・じっとしているのが嫌だった
・気になるニオイがした
・音楽が聞こえてきて気になってしまった など
必ず、行動した理由があります。
その理由を理解することで、対策を考えることもできますし、なにより、その子を理解する手助けになります。
考えてみてもわからないときは、子どもさんと一緒に考えてみましょう。
そのときに、「トイレかな」「なにか気になる音がした?」「なにが嫌だったのかな?」と質問してみるのも良いでしょう。
理由がわかれば、対処は比較的簡単になります。
して欲しい行動を伝えるだけです。
「トイレに行きたくなったら手を上げて先生に行ってね」
「音楽が聞こえてきたら席に座ったまま聞こうね」
じっとしていられないのにも理由があるので
なにが嫌だったのかを聞いてみることで、その対処法が見えることもあります。例えば、単にじっとしていられないのであれば、授業の中で、なにかを配ったりする役割をお願いしてもらうなども良い方法といえます。
また、親御さんも、お子さんが立ち歩くことがあっても、治そうとあまり気負わないことです。担任の先生や、学校のカウンセラーや養護教員さんなどと相談しながら、子どもさんを支えていけるようにしましょう。
ADHDのお子さんは、忘れものが日常茶飯事。そういうときの対処法は
親が一緒に確認すること です。
1 帰ってきたときにやるべきことを一目で分かるような表にします。これを日課にする。
2 連絡帳やランドセルの中を一緒に確認
3 今日やるべきことをリストアップします
4 明日持っていくものの準備を手伝う
さらに念には念を入れて、次の朝持っていくものをメモに書いて、玄関ドアなどの必ず目につく所に貼っておくのも良いでしょう。
ただ、ここでの問題がひとつあります。
それは学校から持ち帰ってくるものです。親が確認できないので忘れることがどうしても多くなってしまいます。
そこで、ぜひ作りたいのが、チェックリストです。自分で確認できるようにするだけでなく、学校の先生にも伝えてサポートしてもらえるようにしましょう。
また、集金や期限のある申込みなど、大切なものは、学校の先生から直接連絡をもらえるように頼んでおくのも良い方法です。
自閉スペクトラム症やADHD問わず、担任の先生から、連絡帳や電話で学校での問題行動の連絡が頻繁に来るかもしれません。このときにやってはいけないこと。
それは理由も聞かずに「叱ってしまうこと」です。
連絡を受けた、問題に対して、「今日は、〇〇したの?」というように優しく話しかけるところから始めましょう。
そのうえで、子どもさんの言い分も聞くことが大切です。行動にはどんな理由があったかを確認することで、喧嘩などの相手がある問題がある場合でも、一方的にあなたの子どもさんが悪くないことがわかることもあります。
もし、家庭内や過去の経験で、似たようなことがあった場合の対処法などを学校の先生には説明しておくようにしましょう。
具体的な方法を知ることで先生の対応も適切になってきます。
また、「先生から注意された」というようなことは話さないようにしましょう。これが原因で先生のことを嫌いになったり、劣等感を抱いたりしてしまうことがあります。
状況によっては、担任の先生が必要以上に叱っていると感じることもあるかもしれません。
そんなときは、特別支援教育コーディネーターの先生などに話を聞いてもらうのも良い方法です。
そして、いままでできなかったことが、学校で「できた」と連絡を受けたときには、「褒めて」あげてくださいね! それが子どもさんの「自信」につながります。
まず、最初に知るべきことは「どこでつまづいているか」ということです。先生に聞けば大抵はわかります。
家で教える場合は、一番基礎的な問題集を使って、勉強を一緒にするようにしましょう。
その中で、ダラダラと進まないところがあったら、そこが躓いているところです。丁寧に教えてあげましょう。また、勉強については、つまづいている学年までさかのぼって教えることも必要です。
教えるときには、決してできないからとか、思うように勉強しないからと言って「カッと」ならないように注意しましょう。
カッとなって怒ってしまうと、家庭での勉強をすることに抵抗をより感じてしまい、悪循環に陥ってしまいます。
もし、どうしてもカッとなってしまうようであれば、「通級指導教室」などを利用するのも良いでしょう。専門的な指導を受けられるのでメリットは多くあります。
低学年の段階で、勉強嫌いになったり、自分はできないと思ってしまうと、その先の学年ではもっと苦労することになりますので、低学年のうちに勉強の楽しさを少しでも感じてもらえる環境を作ってあげることが大切になってきます。