ルールを理解したり守ったりするためには

家でのルール。園や学校でのルールはたくさんあります。お子さんにそのルールを理解してもらうにはどうしたらよいか。オススメの伝え方をまとめてみました。

ルールを覚える練習

生活のルールや人とのコミュニケーションが必要な保育所や幼稚園でのルールなどは実は曖昧になりがちです。

ですが、ゲームなどは「ルール」が明確。わかりやすいのでおぼえやすく、遊びながらなのでお子さんも興味を持ちやすくなります。

行うこと、やってもらいたいこと、活動などをゲームのようなスタイルで「ルールを覚える」練習をご紹介します。

実は、ルールや順番を守ること自体への理解が難しいんです

ルールを守るということは、「なぜ、ルールを守るのか」を理解する必要があります。

そのためには、いまやっていること、周りで起きていることの全体像を理解しなければなりません。

それができていないため、ルールに沿った行動が取れないことがあります。

では、どうすればよいでしょうか?

自宅出来る3つのステップ

集団の中でルールを守ることは、保育園や幼稚園の先生が一生懸命取り組んでくれています。

今よりも少しでも子どもさんに周りに馴染めるように家庭でもぜひやってほしいステップをご紹介します。

活動や、やってほしいことの、どの部分が理解できていないのかを確認しましょう

絵・図・人形などを使って、あなたの子どもにわかりやすい方法で伝えましょう

ゲームのような、方法を取り入れてみましょう。

「お母さんとどっちが上手く出来るかやってみよう!」といった声掛けをして、お子さんと二人でルールに沿って何かを一緒にやってみてください

保育園や幼稚園の先生には、自宅でやっていることや、自分とはできるようになったことを共有して、グループ活動でもルールを守れるようにゆっくりと成長を見守っていきましょう。

衝動的に行動してしまうことでルールが守れないことも

全体を見る。周りに合わせるといったことが苦手な子どもさんは、突然、ルールから外れた行動をしてしまうことがあります。

どうしたら、衝動的にならないようお子さんに意識を持ってもらえるでしょうか?

観る・話す・褒めるを意識した4つのステップ

子どもさんがどんな場面で、衝動的に行動することがあるか観察してみましょう。

どんなことに興味を示すか、あるいは興味を失ってしまうのかを知ることで、子どもさんに合わせた対応をしやすくなります

子どもさんがルールからはずれることをしそうな場面を、事前に意識できるような話をしてみましょう。

「もし、いま、〇〇を始めたらルールから外れているよ。だから、〇〇してね」といった声掛けをすることで、「いま、自分がルールから外れたこと、外れそうなこと」を思い出しやすくなります。

必ずしもうまくいくわけではありませんが、根気よく「ルールの中にいる」ことの大切さを理解してもらえるようにしましょう。

できていること、やっていることに意識を向けるために、「今日は〇〇をしないで、ルールを守れている」という声かけをしてください。

そうすることで、「いまはできている」ということと、「〇〇はしてはいけないこと」に意識を促すことができます。

ルールを守れていること、守れたことを褒めてあげてください。衝動的に行動してしまう子どもさんは、常に意識が色々なところに向き、自分をコントロールすることは想像以上に大変なことです。

頑張っていることを励ましてあげてください。

それが自信を深め、周りに合わせることの大切さを少しずつ知ってもらうことに繋がります。

理解はしていても、自分の気持を抑えられないことも

ルールを守れない子どもさんは、日頃から自分の気持ちのコントロールが難しいのではないでしょうか? そう感じることもあるのではないかと思います。

一番にこだわるタイプの子どもさんや、自分の思いを最後まで通そうとする子どもさんは、ルールを理解していても破ってしまうことがあります。

どのように関わればよいかのステップを紹介します。

安心を与え、一番になれなくても良いと伝える


グループでの活動などでは、順番が自分にいつ回ってくるのか不安になると、衝動的な行動につながるケースがあります。

その対策として、順番を書いたカードを渡すなどして自分にも順番が必ずくることを知らせましょう。

何をするにも「待てない」子どもさんにも、順番を伝えることで安心することもあります。

いまやろうとしていること、やりたいと思っていることが、必ずできるようになることをわかりやすく伝える工夫をしてみましょう

「一番になりたい」。だから待てない。気持ちを抑えられないということがあります。

その場合は、一番になれなくても、我慢できたことを褒めてあげてください。

できたことを褒めることで、「一番になること」だけが価値があることではないと伝われば、少しずつ行動の変化に繋がります。

ここでも褒めてあげてください。自分の気持ちを抑える、コントロールすることが難しい子も多くいます。

思いをコントロールすることは本人にとっては、とても大変なストレスです。

上手くできたときは思い切り、しっかりと褒めるようにしましょう。

まとめ

ここでは3つの事例をお伝えしましたが、最も大切なことは「子どもさんの特徴に合わせた」伝え方です。

順番やルールが守れないという結果だけにとらわれないでください。

なぜ、守れないのか? を探り
理解してもらうために良い方法はなにか? を見つけてあげることが大切です。

たとえば、片付けなどの手順を説明するのに絵や図を使う場合でも
・時系列で伝える
・全体を示した上で個々の関係性を伝える
など、子どもによって伝わりやすい方法は異なります。

そして、もうひとつ大切なのが

ルールの大切さを理解してもらう ことです。

伝える側も、なぜ「ルールが必要なのか」をもう一度考えて整理してみると良いでしょう。

ルールや順番を守らないと、どうなってしまうのかを、子どもさんに合わせてわかりやすい方法で伝えることです。

 

この記事を書いた人
出版社での編集者としての経験を活かし、あらゆる分野の情報発信をしている。リサーチ、分析、整理を得意とし、わかりやすく伝えることを信条としています。四人兄弟の長男で、兄弟のうち二人が重度の知的障害者+自閉スペクトラム症。自身もADHDの注意欠陥障害・自閉スペクトラム症のグレーゾーンとの診断を受けている。その経験から、現在は、発達支援事業にも積極的に関わっている。

コメントを残す